目の奥にある視神経が障害されて視野が狭くなる病気です。
初期は自覚症状を感じませんが、進行すると中心視野も障害され視力も低下します。
一度障害された視神経は回復せず、治療しても症状をよくすることができません。
これが緑内障の恐ろしいところです。
また医学の進歩した現在でも原因がよくわかっていません。
眼圧が正常であっても緑内障になっている方(正常眼圧緑内障-NTG)は多く(日本では緑内障の9割)、眼圧検査だけで緑内障を判断できません。
診断には視野検査・眼底検査などが必要です。
- ■ 初期
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目の中心をややはずれたところに暗点(見えない点)ができます。
自分自身で異常と自覚することがありません。
- ■ 中期
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暗点が拡大し、視野の欠損(見えない範囲)が広がり始めます。
しかし、この段階でも片方の目によって補われるため、異常に気付かないことが多いようです。
- ■ 末期
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視野(見える範囲)はさらに狭くなり視力も悪くなって、日常生活にも支障を来すようになります。
さらに放置すると失明に至ります。
- 1. 眼圧検査
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眼圧検査とは、房水という液体によって保たれている眼球内圧を測定する検査のことです。
眼圧は、健康な目でほぼ一定ですが、房水の生産量と流出量のバランスが崩れると変動が起こります。
緑内障を調べる際には、必須の重要な検査です。
- 2. 眼底検査
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眼底検査とは、瞳孔の奥にある視神経・網膜を、眼底カメラやOCT(光干渉断層計)という医療機器を用いて行います。
通常はレンズを通して状況観察し、眼底の血管、網膜、視神経を調べます。
また、最近ではOCTにより網膜の断層像を撮り網膜神経、網膜層の厚みを調べます。
緑内障を調べる際には、特に重要な検査のひとつです。
- 3. 隅角検査
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この検査で、急性(閉塞隅角)緑内障を起こしやすい狭隅角かどうか、あるいはその程度を把握することができます。
また、隅角の状態を見ることで、レーザー治療での治療が必要かの判断も行います。
- 4. 視野検査
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視野の異常をみることで緑内障を含め、多くの目の疾患がわかります。
緑内障では視神経の障害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなっていくため、初期は自覚症状を感じることが殆どありません。
定期的に視野検査を行うことで、緑内障の進行具合を判断することができます。
- 1. お薬での治療
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主に目薬による点眼にて治療を行います。
ケースによっては内服薬を使用する場合もあります。
※ プロスタグランジン、房水流出促進、房水生産抑制、配合点眼薬などがあります。
- 2. レーザーによる治療
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緑内障の種類によっては、レーザー治療をすることがあります。
医療機器は専用のレーザー光凝固装置を用いて行います。
- 3. 手術による治療
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お薬やレーザー治療で眼圧が下がらない場合、手術を行います。
手術が必要な場合、ご相談の上で適切な時期に連携医療機関をご紹介させて頂きます。
● 最後に
40歳以上の約20人に一人が緑内障です。
早期発見・早期治療が非常に重要ですので、人間ドックなどで疑いを指摘された場合は必ず眼科を受診しましょう。